YouTubeと間違われたドメイン「utube.com」

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

YouTubeと間違われたドメイン「utube.com」をご存知ですか?

 

2000年代半ば、動画サイトYouTubeが急成長するなかで、思わぬ被害を受けたアメリカ企業がありました。
その企業は競合でも関連会社でもなく、オハイオ州の製造会社「Universal Tube & Rollform Equipment」です。
チューブやパイプ加工機械を扱うBtoB企業で、1996年から「utube.com」を使っていました。
社名の「Universal Tube」を縮めた、ごく自然なドメイン名です。

 

ところが、2005年にYouTubeが登場し、2006年にはGoogleによる買収で一気に知名度が上がると、「youtube.com」にアクセスしようとした人たちが、誤って「utube.com」にアクセスするようになりました。その結果、2006年8月、従業員17人のサイトに6,800万件のアクセスを記録したのです。

 

YouTube登場前は月に「数千」程度だったアクセスが、その後は1日約7万人に増加。サーバーが何度もダウンし、業務に支障が出たほか、ホスティング費用も 月100ドル未満から2,500ドル以上に膨らんだとことを受け、Universal Tube社は2006年にYouTubeを提訴し、商標出願の取消しやドメイン「youtube.com」の停止、ドメイン移転まで求めました。もっとも、2007年6月の連邦地裁命令では請求がそのまま全面的に通ったわけではなく、商標出願取消しや過失などの主張は棄却される一方、不正競争や商標希釈化などの主張は継続となりました。

 

さらにその後の公開記録を見ると、訴訟は和解交渉を含めてなお続いていた様子がうかがえますが、少なくとも一般に確認しやすい範囲では、Universal Tube社がこれらの請求で最終的に勝訴したとまでは確認できません。
つまりこの裁判は、原告側の主張が全面的に認められたわけではないものの、ドメインの混同による損害が実際に法廷で争われるだけの重みを持っていたことを示しています。

 

なお、Universal Tube社公式サイトは現在、「utubeonline.com」で運営されています。

 

参考
Utube to sue YouTube amid site confusion
IN THE UNITED STATES DISTRICT COURT FOR THE NORTHERN DISTRICT OF OHIO WESTERN DIVISION
YouTube – uTube showdown stays alive in federal court
WIKIPEDIA – Universal Tube & Rollform Equipment
We Buy, Sell, Build and Support Tube Mill and Rollforming Lines

 

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