売れそうにない「3dmekanlar.com」が約80万円で売れた理由

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

一見すると、とても約80万円で売れそうにないドメインが、高値で落札されたことをご存知ですか?

 

そのドメインは、3dmekanlar.comです。

 

「mekanlar」はトルコ語で「場所」などを意味する言葉で、このサイトでは歴史的建造物や観光地、宗教施設などを360度のパノラマ画像で楽しむことができました。もともとはトルコ人エンジニアのErcan Gigi氏が運営していたサイトで、2011年には1年間で約150万訪問、1日平均約4,000人が訪れるほど人気を集めていました。

 

その後、ドメインが期限切れとなり、2026年6月にドメインオークション「NameJet」へ出品。5,001ドル(約80万円※)で落札されました。

 

短くもなく、英単語でもない「3dmekanlar.com」に、なぜこれほどの価格が付いたのでしょうか。

 

理由は、ドメイン名そのものではなく、過去のサイトが積み上げてきたSEOの資産にあるとみられています。
期限切れになる直前、このサイトはGoogleなどの検索エンジンから月間約4,500件のオーガニックアクセスを獲得していました。
さらに、外部サイトからのリンクなどを評価する指標「DR(Domain Rating)」も54と比較的高く、再公開後には327のキーワードで検索順位が付いていると分析されています。

 

落札後には、以前のサイトに近い内容が再び公開されました。するとオーガニック検索からの流入が伸び、生成AIの回答内で言及される機会も増えているとされています。

 

最近は「Google検索よりChatGPTなどのAIに質問する」という行動も増えています。それならSEOの価値は下がるようにも思えますが、生成AIもWeb上の情報を検索・参照することがあります。長年運営されたサイトに残るリンクや検索実績、専門分野との関連性は、検索エンジンだけでなく、AIに情報を見つけてもらううえでも価値を持つ可能性があるというわけです。

 

同じ時期の期限切れドメインでは、comicshoplocator.comが24,001ドル(約386万円※)、fipa.orgが3,800ドル(約61万円※)、skintour.comが3,015ドル(約48万円※)で落札されています。いずれも過去のサイトが持っていた検索順位や被リンクなどが、高値の理由として注目されました。

 

もっとも、期限切れドメインの行き先がすべて健全とは限りません。過去とは無関係なカジノサイトなどに転用されるケースもあります。

 

そのドメインが、以前どんなサイトだったのか。
どんなサイトからリンクされていたのか。
検索エンジンからどれだけ人を集めていたのか。

 

ドメインの価値は、文字列だけでは決まりません。
3dmekanlar.comに付いた約80万円という価格の裏側には、十数年かけて積み上げられた、ドメイン名からは見えない「Web上の実績」がありました。

 

※円換算は、取引が行われた2026年6月の平均為替レート(1ドル=約160.68円)をもとに算出

 

参考
Why these “bad” domains sold for big bucks
Kabe’yi sanal tavafa açtı
Turkish engineer showcases 3-D photos of cultural sites
https://www.3dmekanlar.com/
Domain Sales Floodgates Open After a Backlog of Previously Unreported Summer Sales Comes In

 

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