金融から転身した「.cfd」、ファッション業界で浮いているかもしれない
人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界
元金融業界向けドメイン「.cfd」が、転身先のファッション業界で浮いているかもしれないことをご存知ですか?
2015年12月、「.cfd」は「Contract for Difference(差金決済取引)」を表す、金融取引関連
サービス向けのドメインとして一般登録受付を開始。レジストリのIG Group社は、差金決済
取引に関する情報やサービスを提供する企業、プラットフォーム向けにふさわしいドメイン
として構想していました。当時の登録料金は2,592,000円(1年※)だったこと、金融取引業
規制機構によって認可を与えられている団体のみが登録を許され、金融監査機関が発行する
認証番号の提示が必要だったことで、“超高額で登録要件が非常に厳しいドメイン”として、
注目を集めました。
ただ、“超高額で登録要件が非常に厳しいドメイン”のせいで、思うように登録件数が伸び
ません。登録料金を5,720円(1年※)とする超値下げと登録要件廃止の登録促進を図りました
が、結果に結びつかず、IG Group社は「.cfd」を手放し、最終的にルクセンブルクにある
ShortDot SA社へ譲渡されます。「.icu」や「.bond」等を運営する同社は、「.cfd」の販売促進
として大胆な方向転換を行ったのです。
その方向転換とは、金融からファッション業界への転身でした。
具体的には、今まで「.cfd」を「Contract for Difference」としていましたが、
「Clothing Fashion Design(衣類、ファッション、デザイン)」の略に再ブランディングした
のです。登録料金5,720円(1年※)と登録要件不要も維持しました。
ところが、現在の「.cfd」の利用状況を調べてみると、ファッション業界での活用事例は
まだごく一部。むしろ、差金決済取引や仮想通貨取引所などの金融業界や、スポーツ
ベッティングサイトでの利用が目立っているのです。「.fashion」、「.design」、「.style」など、
ファッション業界にすでに定着しているドメインと比べると、「.cfd」は現時点で浮いた存在
になっているかもしれません。
※ゴンベエドメインにおける登録料金。
参考
ShortDot – .cfd
.CFD Domain is the Future of Clothing & Fashion Design
ShortDot is All Set to Launch the .CFD Domain Extension – Tailored for the Future of Clothing & Fashion Design
wikipedia – Contract for difference
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