10年以上も超有名暗号資産取引所の公式っぽく運営していたサイト
人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

10年以上も超有名な暗号資産取引所「Coinbase」の公式のように運営していたサイトをご存知ですか?
そのサイトとは、「coinbase.de」です。
Coinbaseは、世界で1億人以上のユーザーを抱える超巨大な暗号資産取引所です。
「coinbase.de」は、一見するとCoinbaseのドイツ向け公式サイトのように見えます。
しかし、実はCoinbaseとは無関係の個人が保有し、10年以上にわたって“公式らしさ”をまとったまま運用されていたことが判明しました。
2025年7月、Coinbaseはドメイン所有者の同社とは一切関係を持たないドイツ人男性、トビアス・ホンシャ氏を訴えました。
主張した問題点は4つあります。
1.ブランドの“タダ乗り”(サイバースクワッティング)
「coinbase.de」は、一見して公式と見分けがつかない。Coinbaseのドイツ版公式と誤認されやすい。
2.アフィリエイトで利益を得ていた
「coinbase.de」のトップページには、Coinbase本家へのアフィリエイトリンクが設置されていました。
しかし、このドメインはコインベースとのアフィリエイト契約に違反しており、正規の規定を無視した不正な誘導が行われていたとしています。
3.「coinbase.de」のメール運用とフィッシングリスク
所有者は「coinbase.de」をメールアドレスとして利用していた。実際に、本人確認書類・パスワード・2FAコードを誤送信したケースが発生している。
4.高額買い取りをほのめかす
Coinbase がアフィリエイトの運用停止を求めると、所有者はドメインの譲渡を提案。
しかし、その際に「このドメインが悪意ある第三者に渡れば危険だ」等といった“リスク”を持ち出し、事実上の高額売却を示唆したとされ、Coinbaseはこれを“恐喝まがい”と批判しています。
訴訟後、「coinbase.de」は、物理コイン(硬貨)関連アプリやコイン収集家フォーラムへリダイレクトされる状態になりました。
しかし、依然としてメールアドレスやドメイン名自体が誤認を招く構造に変わりはありません。
Coinbaseは裁判で、ドメインの使用差し止め、可能であれば移管、損害賠償を求めています。
参考
How a German Man Fooled Coinbase Users with a Lookalike Domain
Coinbase sues man using a Coinbase-like URL to make money
Coinbase exchange targets alleged cybersquatter in lawsuit
This man used a Coinbase-like URL — Now he’s facing a major lawsuit
Coinbase Sues Individual Over Phishing-Linked “coinbase.de” Domain
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