「.cs」は二度死ぬ

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

ドメイン「.cs」はニ度も消滅したことをご存知ですか?

 

「.cs」は、チェコスロバキアに割り当てられていたccTLD(国別コードトップレベルドメイン)
でしたが、1993年にチェコ共和国とスロバキア共和国へ分割されたことに伴い、1995年1月頃に
「.cs」は廃止されました。

 

しかし、2003年2月にユーゴスラビアがセルビア・モンテネグロに国名を変更、ccTLDを決める基
準である「ISO 3166-1 Alpha-2コード」がCSであることから、同国のドメインも「.yu」から「.cs」
に変更となりました。「.cs」はセルビア・モンテネグロのccTLDとして生き返ったのです。

 

生き返ってから約3年半後の2006年7月、セルビア・モンテネグロは、セルビア共和国、モンテネ
グロ共和国の二つの国に分割されてしまいました。同年9月に「.cs」は廃止が決定。二度目の消
滅となったのです。実は、セルビア・モンテネグロになってからもユーゴスラビア連邦共和国時
代のccTLD「.yu」の使用が続けられたため、セルビア・モンテネグロで「.cs」が利用されること
はありませんでした。

 

割り当てられた国が二度も同じように分割され消滅、それも二度目は利用されないまま消滅する
なんて、「.cs」は悲劇のドメインなのかもしれません。

 

参考
wikipedia .cs
wikipedia .yu

 

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