大量に配布したチラシに間違ったドメインを記載した時の対処法
人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界
大量に配布してしまったチラシに間違ったドメインを記載した時の対処法をご存知ですか?
スイスのバーゼル・シュタット準州税務当局は、デジタル納税申告に関する案内を記載した
チラシを10万世帯以上に配布しました。ところが、チラシに記載されたウェブサイトの
ドメインに誤りがあり、本来「esteuern.bs.ch/private」と記載すべきところを、
「esteuern.bs/private」としてしまいました。「.bs」はバハマの国別コードトップレベル
ドメイン(ccTLD)であるため、受信者が誤ったURLにアクセスすると、意図しないサイトに
誘導される可能性がありました。
この誤りに気付いた税務当局は、以下の2つの選択肢を検討しました。
A.チラシの再印刷と再送付
正しいURLを記載したチラシを再度印刷し、全世帯に再送付する方法です。しかし、この
方法は10万スイスフラン(約1,200万円)以上の費用がかかると判明。
B.誤記されたドメインの購入
誤って記載された「esteuern.bs」を購入し、正しいサイトへリダイレクト設定を行う方法
です。この方法では約900スイスフラン(約11万円)の費用で済みます。
最終的に、当局はコスト効率の観点からBを選択し、誤記されたドメインを購入して正しい
サイトへリダイレクトする措置を講じたのでした。既に「esteuern.bs」が登録されていたら
、Bを選択することはできなかったので、不幸中の幸いといったところでしょうか。
ちなみに、スイスを表すドメインには「.swiss」もあります。
参考
Basel has to buy internet address in the Bahamas after mishap
Swiss tax authority forced to buy Bahamas domain name after URL typo
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