「Google.com」が第三者に取得された原因は“更新忘れ”ではなく“バグ”

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

「Google.com」が第三者に取得された原因は、“更新忘れ”ではなくドメイン登録サービスの“バグ”だったことをご存知ですか?

 

2015年9月29日、アメリカの大学で経営学修士(MBA)を学ぶべド氏(Sanmay Ved)は、2007
年から2012年までGoogle社のアカウント・ストラテジストとして働いていたこともあって、
Google社が運営するドメイン登録サービス「Google Domains」でGoogle関連のドメインをチェ
ックしていました。

 

すると、驚いたことに「Google.com」が登録可能であることを発見。
すぐさまクレジットカードで12ドル(約1,440円※)を払い取得しました。取得後、登録が完了
した旨を案内するメールも送られてきて、自分がオーナーになったことを確認しましたが、
程なくしてGoogleDomainsから「Google.comはすでに別の人が登録しているので取得できない」
とのメッセージが届き、12ドルは払い戻されます。べド氏は、ドメイン所有者だった間に送ら
れてきたGoogle社ウエブ管理チームあての社内メールを、同社セキュリティー担当チームに引
き渡しました。

 

Google社のセキュリティー担当チームは、「今回の件で、ドメイン売買システムの弱点が見つ
かった」として、べド氏に「バグ発見報奨金」を支払いました。その額は6006.13ドル(約72万
円※)。
なんだか中途半端な金額ですね。。。実はこれ、「g o o g . l E」を数字で綴ったものなのです。
「少し目を細めて見れば、そう見えるでしょう!」とGoogle社運営ブログのバグ発見報奨金制
度を説明する投稿に書いています。

 

べド氏は報奨金の受取を拒否。その代わりにインドの人道的、教育的NGO「アートオブリビン
グインディア基金」に同額を寄付するようGoogle社に依頼しました。同社はこれに合意、提示
額の2倍となる12,012.26(1万2012ドル26セント、約144万円※)を寄付しました。
「Google.com」が一時的に第三者に取得された前代未聞の件について、メディアはGoogle社に
取材を依頼しましたが、一切コメントは発表しませんでした。
もしかしたら、バグではなく、ただの“更新忘れ”だったのかもしれませんね。

 

※2015年9月のレート。1ドル約120円。

 

参考
Cash reward for Google.com takeover man
Sanmay Ved, Former Googler, Got Big-Time Reward After He Bought Google.com
Here’s How Much Google Paid the Guy Who Bought Google.com
How I Ended Up Purchasing & Owning Google.com via Google Domains

 

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