レディー・ガガとファンサイトをめぐるドメイン紛争の結末

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

「ladygaga.org」というドメインをめぐり、世界的アーティストであるレディー・ガガ氏が、ドメイン登録者に対してドメインの返還を
求めた紛争があったことをご存知ですか?

 

2011年8月、レディー・ガガ氏(本名:Stefani Germanotta)は、自身の登録商標
「Lady Gaga」を登録者は無断で使用しており、悪意のある登録と主張。UDRP
(Uniform Dispute Resolution Policy※)を通じて、自身のファンサイトに対して
「ladygaga.org」のドメインを手放すように求めました。

 

一方、この申し立てに対してドメイン登録者は、サイトは非営利のファンサイトと
して運営しているもので、トップページに「これは公式サイトではありません」と
明示しており、訪問者を誤解させるような内容は掲載していないと反論します。

 

2011年9月、米国仲裁フォーラム(National Arbitration Forum)は、ドメイン登録
者側に正当性があると認め、レディー・ガガ氏の請求は棄却されました。ドメイン
名は確かに登録商標「Lady Gaga」と一致するが、広告掲載も無く非営利で正当な
使用が確認でき、悪意の証拠がないことを棄却理由としています。

 

当時この紛争は、商標と一致するドメインであっても、非営利・非商用かつ誤認を
避ける表記がある「好きだから作った」ファンサイトには、一定の保護はある、と
いう点で注目を集めました。しかし、正当性が認められたにもかかわらず
「ladygaga.org」は閉鎖されてしまいました。閉鎖された時期は不明です。

 

※ドメイン名に関する紛争を解決するための手続き。裁定に基づき、ドメイン名の移転または抹消が行われる。

 

参考
Lady Gaga Not Entitled to ladygaga.org Domain
Lady Gaga Loses Legal Fight With Fan Over LadyGaga.org
UDRP Panel denies Lady Gaga’s request to transfer ladygaga.org

 

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