【第131回】初めて紛争処理機関の裁定が覆された「MP3ドメイン事件」

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

初めて紛争処理機関の裁定が覆された「MP3ドメイン事件」をご存知ですか?

 

1999年7月、有限会社システム・ケイジェイは「mp3.co.jp」を登録しました。これに対して、
合法的に無料で音楽を共有するサービスを運営するアメリカのMP3.comは、2001年2月に日本
向けサイトのオープンに合わせて、システム・ケイジェイに「mp3.co.jp」の譲渡を要求。
しかし、システム・ケイジェイはこれに応じなかったため、MP3.comは同年3月に日本知的
財産仲裁センターへ紛争処理の申立てを起こしました。

 

同年5月、日本知的財産仲裁センターは有限会社システム・ケイジェイに対して、
「mp3.co.jp」をMP3.comに移転を命じる裁定を下します。
この裁定を不服としたシステム・ケイジェイは、同年6月に東京地裁に訴訟提起しました。
東京地裁は2002年7月、MP3.comは「mp3.co.jp」の使用差止請求権を有していないとして、
システム・ケイジェイの訴えを認める判決を下したのです。

 

東京地裁は、「MP3.comが設立されたのは1998年3月であり、システム・ケイジェイが
「mp3.co.jp」を取得したのも同じく1998年3月であるため、システム・ケイジェイが将来
MP3.comにドメイン名を不当に高額な値段で買い取らせたり、MP3.com表示の顧客吸引力を
不正に利用してシステム・ケイジェイの事業を行おうなどの不正の利益を得る目的を有して
いなかったことは明らかである。」と判断しました。MP3ドメイン事件は、東京地裁が初め
て紛争処理機関の裁定を覆した判例となったのです。

 

参考
mp3.co.jp 事件判決
MP3.CO.JP事件 弁護士小倉秀夫
「MP3.CO.JPは登録者のモノ」,東京地裁が初めて紛争処理機関の裁定を覆す

 

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