ネット銀行に参入する企業を狙ったドメイン不正登録

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

ネット銀行業に参入する企業ばかりを狙ったドメイン不正登録をご存知ですか?

 

1999年12月10日、ソニー株式会社(以下、ソニー)がネット銀行への参入を表明。直後の
2000年1月、同ドメイン名をソニーとは全く関連のないA社が登録、同年12月に同ドメインを
投資コンサルタントのB社へ譲渡しました。ドメインは使用されていませんでしたが、ソニー
は「同ドメインの登録者は弊社のネット銀行業参入を知った上でsonybank.co.jpを不正な
目的で登録した」と主張。日本知的財産仲裁センターへドメインの移転を申し立てます。

 

2001年3月、同センターは「単に保持していることは「不正の目的での登録・使用」とみな
されるべきである」として、「sonybank.co.jp」をソニーへ移転する裁定を下しました。

 

この裁定を不服としたドメイン登録者のB社は、東京地裁へソニーを相手取り提訴。
しかし、2001年11月の法廷で三村量一裁判長は「原告であるB社の行為は、JPドメイン名紛争
処理方針による「不正な目的」に該当する。
よって、紛争処理機関の裁定に従う義務がある」と判断。紛争処理機関の裁定結果を全面的
に支持、原告の訴えを棄却しました。
ちなみに原告は他にも「sonynetbank.co.jp」、「sonynetbank.com」、「itoyokadobank.co.jp」、
「financial-one.co.jp」など、すべて銀行業への参入が新聞で報道された直後に、その企業名、
企業グループに関連したドメイン名を実質上登録、保有していることも、不正目的登録の
裏付けとなったのです。

 

参考
商標判例データベース
「SONYBANK.CO.JP」をソニーに移転~仲裁センターがドメイン紛争で裁定
「sonybank.co.jp」裁判でソニー側が勝訴,紛争処理機関の裁定結果を支持する初の判決

 

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