更新費用が120倍以上(約4,000円→500,000円)になったドメイン

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

約4,000円で取得したのに、更新費用が500,000円になったドメインをご存知ですか?

 

2012年8月、イギリスの海外領土タークス・カイコス諸島に割り当てられたccTLDである「.tc
を管理するレジストリAdamsNamesは、1文字及び2文字ドメインの登録料金の卸売り価格値上を
発表しました。

 

3文字以上のドメインについては45ポンド(※約5,535円)ですが、2文字は3,000ポンド
(※369,000円)、1文字については6,000ポンド(※約738,000円)に改定。この値上げに
より、20%の付加価値税を義務付けられているヨーロッパのレジストラ(ドメイン登録
機関)を介してを取得した場合、約4,000円程度だった取得及び更新費用が、2文字ドメ
インにおいては4,070ポンド(※約500,000円)となり、値上げ幅が120倍を超える事態と
なりました。

 

今回の料金改定に伴いAdamsNamesは、2012年8月13日から11月12日までに登録期間満了
を迎えるすべての1文字、2文字ドメイン名の登録者に対し「十分な検討期間を与えるた
め」として、11月13日までの無料延長措置をとりました。

 

ドメインの世界ではこのような突然の値上げは許されるのでしょうか?
「.com」「.net」などのgTLDについては、インターネット上のドメイン名やIPアドレスを
管理するICANNがそのサービス仕様も管理。ICANNと各レジストリが交わす契約において
年間の料金値上げ限度額を規定しています。
一方、ccTLDについては、それぞれの国・地域ごとに事情が異なるため、料金の値上げ限度
額などを含むサービス仕様については、各ccTLDレジストリが独自で決めているケースが
大半。そのため、ccTLDにおいては、このような“超値上げ”が断行される恐れがあるのです。
ちなみに、「.jp」を管理するJPRSはICANNとスポンサ契約を締結している、数少ないccTLD
レジストリの一つです。

 

120倍以上の値上げをしてから約9年が経った今、「.tc」の登録料金を確認したところ、
2021年5月18日現在、70ドル(約7,600円)でした。
気になる2文字ドメインでも70ドルでした。

 

 

3文字以上のドメインは約3,600円程更に高くなりましたが、2文字は490,000円以上の
“超値下げ”をしたのですね。

 

※2012年8月当時のレート、1ポンド=約123円。

 

参考
.tc Wikipedia
.tc Wikipedia(日本語)
「.tc」登録料金、年間50万円へ120倍超の値上げも、英AdamsNames規約改定で
nic.tc

 

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