【第111回】ドメイン登録で「悪意は無かった」は通用しません

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

悪意がなくても、商標登録をされている文字列をドメイン名登録するべきでないことをご存知ですか?

 

過去に、あなたの知らないドメインの世界では、商標権を持っている側が訴訟で負けた事例を紹介しました。

 

「jal.com」のドメイン名紛争でJALが負けた理由

ニッサン(日産自動車)が「nissan.com」を取得できない理由

 

ただし、これらの事例では、悪意(転売目的など)がない以外に、ドメインの文字列が
登録者の名前に由来していること、インターネットの黎明期(1995年以前)に登録されて
いたことが共通しています。
なので、現在同じような条件でドメインを登録しても、訴訟を起こされた場合はドメイン
を手放すことになるかもしれません。

 

Proofpoint社は訴訟を取り下げ、フィッシング・ドメインをFacebookに譲渡

 

サイバーセキュリティ企業のProofpoint社は、FacebookやInstagramのドメインに酷似した
ドメインを登録して、自社の顧客の従業員用のフィッシングトレーニングの一環として使
用していました。

 

2020年11月、これらのドメインの存在を知ったFacebookはドメイン名登録機関である
Namecheapに対し、Facebookの商標ブランドを侵害しているとして、ドメインの引き渡し
を求めるUDRP(Uniform Domain-Name Dispute-Resolution)請求を行いました。

 

2021年2月、Proofpointは、ドメインは悪意を持って登録されたものではなく悪意のない方
法で使用されていたため、使用を継続することが認められるべきであると反訴しました。

 

しかし、2021年8月、Proofpoint社は反訴を取り下げ、フィッシング・ドメインをFacebook
に譲渡したのです。

 

現在では、悪意は無く、サイバーセキュリティ会社の顧客のトレーニングの一環という一
見問題がない理由であっても、訴訟になればドメインの保有は認められないのです。
いかなる理由があっても、商標登録をされている文字列のドメイン登録は控えた方が良い
でしょう。

 

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