アメリカ最大のランジェリーブランドを怒らせてドメインを取られる
人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界
アメリカ最大のランジェリーブランドを怒らせて、ドメインを剥奪された話をご存知ですか?
美容セラピストであるマリア・ロザーナ・ドス・サントス氏は、「ヴィクトリアズ・シークレ
ットなんて聞いたことがない!」と抗議したにもかかわらず、「victoriasecretbeauty.co.uk」
を手放すように命じられました。
ヴィクトリアズ・シークレットは、米国最大のランジェリー小売業者。サントス氏は、自身が
運営するサロンを「ヴィクトリア シークレット ビューティー」(Victoria Secret Beauty)と名付
け、美容院の地下室で営業、ウェブサイトのドメインとして「victoriasecretbeauty.co.uk」を
取得して公開していました。サロンはビクトリア州で営業しており、地下にあって見つけにく
いことから「秘密」と名付けたと、ドメイン取得の正当性を主張しました。しかし、イギリス
を表すccTLD(国別コードトップレベルドメイン)「.uk」の公式レジストリであるノミネット
は、ヴィクトリアズ・シークレット社からの苦情を受けてドメインを放棄するようにサントス
氏に命じました。
ノミネットのジェイソン・ローキンス氏は、「ヴィクトリアズ・シークレット社のブランドが
どれほど有名であるかを考慮すると、サントス氏が同社と同様のロゴとヴィクトリアズ・シー
クレットという用語を、無意識に組み合わせて使用したという主張は信頼に値しない。ドメイ
ン名が登録された時点で、彼女はヴィクトリアズ・シークレットを知っていたことがわかります。
彼女はこのドメイン名を、ヴィクトリアズ・シークレットの人気に便乗したビジネス展開をする
ために使用しました。」と述べました。
サントス氏が運営していたサロンのレビューには、「ここでネイルアートを予約する決め手に
なったのは、ヴィクトリアズ・シークレットの関連サロンだと思ったからよ。」といった書き
込みもありました。2020年10月現在、「victoriasecretbeauty.co.uk」は、ヴィクトリアズ・シー
クレット社が運営するドメインになっています。有名企業名を使ったドメインは、裁判の末に
剝奪されるケースもありますので、お気をつけください。
参考
WIPO Arbitration and Mediation Center
Salon owner ordered to stop trading of Victoria’s Secret name after lingerie giant’s complaint
Victoria’s Secret? Never heard of it, claims beauty therapist in domain row
・関連記事