あのドメインは今・・・早すぎたAmazon Fresh
人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

ドメイン「webvan.com」をご存知ですか?
1999年、Webvanというスタートアップが米国で誕生しました。オンラインで食料品を注文すると30分~1時間で届く、オンライン食料品宅配サービスの先駆者です。“web(インターネット)”と“van(配送車)”、この2つをつないだ「インターネットが荷物を届ける時代」を連想させるドメイン名は、投資家にもユーザーにも強烈な印象を与えました。
今で言うAmazon FreshやInstacartの“20年以上早すぎた先駆者”と言われています。
Webvanはドットコムバブルの中心企業となり、未来の生活の入り口そのものだった「webvan.com」は、インターネット革命の旗印として大きな注目を集めました。しかし、当時(1999~2001年)のネット利用者はまだ少なく、生鮮食品のオンライン注文という市場は早すぎたため、設備がほとんど稼働しないままコストだけが膨張。注文が増えるほど赤字が増える「逆スケール構造」によって、2001年にサービスは破綻。象徴であったドメイン「webvan.com」も資産の一部として売却されてしまいました。
売却後は、SEO目的の広告ページ(パーキングドメイン)として運用され、2010年代は別オーナーに渡り、ミニマルな情報サイトとして細々と存続されていましたが、2020年代に入ると、また別のWebvanとは完全に無関係の人物・法人が所有し、現在はウェブサイトとして活用されていません(※)。
※2025年11月20日現在
参考
The Founder Of A Dot-Com Disaster Is Giving His Old Grocery Delivery Idea Another Shot
Why E-commerce Didn’t Die With the Fall of Webvan
The Collapse of Webvan; A $6 Billion Grocery Delivery Startup
The disastrous rise and fall of a $10 billion Bay Area unicorn
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