【第85回】ニッサン(日産自動車)が「nissan.com」を取得できない理由

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

ニッサン(日産自動車)が「nissan.com」を取得できない理由をご存知でしょうか?

 

トヨタはtoyota.com、ホンダはhonda.com、スズキはsuzuki.com、ダイハツはdaihatsu.comを
公式ホームページとして運営しています。しかし、「nissan.com」はニッサン(日産自動車)の
ものではありません。

 

 

「nissan.com」にアクセスすると、「日産自動車対ニッサンコンピュータに対する日産自動
車訴訟 このような訴訟は誰にでも起こり得えます」と書かれていて、その訴訟内容につい
て述べられています。

 

1980年、イスラエル系アメリカ人ウージー・ニッサン氏(Uzi Nissan)は、ノースカロライナ州
に自動車販売会社ニッサン・フォーリン・カー(Nissan Foreign Car)を設立、1987年には主に
重機やコンピュータを取り扱う輸出入会社ニッサン・インターナショナル(Nissan
International, Ltd.)を設立しました。また、1991年5月14日、同氏はパーソナルコンピュータ、
サーバ、コンピュータ部品の販売とサービス、インターネットのホスティングと開発を提供
するニッサン・コンピューター(Nissan Computer Corporation)も設立。ニッサン・コンピュー
ターは、日産自動車がこのドメインに興味を持つ5年前の1994年6月4日に、「nissan.com」の
ドメイン名を取得しました。

 

ニッサン(日産自動車)は、ニッサン・コンピュータによる「ニッサン」の名前の使用は商標
の希釈化行為(※)であると判断。1999年、ニッサン・コンピュータによる「nissan.com」の
取得は、サイバースクワッティングであると主張して、ロサンジェルスの連邦地裁に提訴し
ました。しかし、ニッサン・コンピュータという社名は、創業者のウージー・ニッサンに因
んで付けられたものであることから、ニッサン(日産自動車)の主張は認められず、
「nissan.com」は2021年1月現在もニッサン・コンピュータが保有するドメインのままです。

 

ニッサン(日産自動車)はアメリカ合衆国における公式ホームページに、「nissanusa.com」と
いうドメイン名を使用することにしました。ドメインに関しては、「やっちゃえNISSAN」と
いうわけにはいかなかったようです。

 

※商標の希釈化・・・
有名な商標(著名商標)について、他人によって様々な商品やサービスに使用されることに
より、その著名商標の機能が弱められてしまうこと。特定の商品やサービスの商標として強
く刻み込まれた消費者の認識が、他の商品やサービスに拡散されて、薄められることから希
釈化(ダイリューション)と呼ばれています。

 

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