【第67回】ワインのテイスティングじゃなくて、ドメインのテイスティング

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人知の及ばぬ32ビットの空間に、
名前がついたその日から、
見知らぬあなたと、見知らぬあなたに、
ウェブの糸がつながった
ドメインの織りなす運命を解き明かす
あらたな世界の扉が開かれる
それが、あなたの知らないドメインの.世界

 

 

ドメインもワインのようにテイスティングができることをご存知でしょうか?

 

.comや.netなどの一部のドメインには、ドメインを間違えて登録した場合、5日間以内であればキャンセルできる登録猶予期間が存在します。かつて、この期間のキャンセル手続きは非常に簡単なものでした。

そのため、このルールを悪用したドメインの大量取得によって、「広告を貼り付けて儲かるドメインだけをタダで選びだす方法」、即ち“ドメインテイスティング”が頻繁に行われるようになってしまったのです。

 

~広告を貼り付けて儲かるドメインだけをタダで選びだす方法~

ドメイン登録

広告貼り付け

来訪者多い? → YES → 広告料収入高い → ドメインをキャンセルせず保持、広告料を継続的に受け取れる

NO

広告料少ない

登録猶予期間にドメインをキャンセル

 

この方法が横行したことで、2007年1月には「.com」と「.net」に登録されたドメイン名の95%に当たる4,500万余りのドメイン名が登録猶予期間中にキャンセルされました。また、5日間の登録猶予期間中だけフィッシングサイトを開設して、利益が出たら即キャンセルすることにも利用できる問題点があったり、大量のドメイン登録と廃止が繰り返されることで、一般ユーザーのドメイン登録に支障をきたす上に、データベースを管理するレジストリの負担も増大しました。

このような看過できない状況に、ドメイン管理団体のICANNは、登録申請者が登録やキャンセルをするドメイン名の件数を1ヶ月単位で集計。キャンセル件数またはキャンセル率が一定の割合を超えた場合には、追加登録時に課金するという新ルールを設定したのです。これにより、ドメインテイスティングには従来より多くのコストがかかるようになり、大量のキャンセルは激減。新ルール導入前の2008年6月の登録猶予期間中のキャンセル件数約1800万に対して、導入後の2009年4月にはキャンセルがほぼ100%無くなったのでした。
ちなみに、「.wine」と「.vin」はワインを表すドメインです。

 

参考
The End of Domain Tasting | AGP Deletes Decrease 99.7%

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